ステップレースから見る凱旋門賞

いよいよ今夜ということで,凱旋門賞について.そもそもディープインパクトの臨戦過程は他の欧州馬とは一概に比較はできないのですが,臨戦過程上,どの馬がライバルとなりうるか.纏め上げられたのはカーネギー以降の凱旋門賞だけなのですがね.まずは凱旋門賞勝馬の臨戦から.

凱旋門賞勝ち馬 前走レース 前走着順
1994 Carnegie Prix Niel 1
1995 Lammtarra King George 1
1996 Helissio Prix Niel 1
1997 Peintre Celebre Prix Niel 2
1998 Sagamix Prix Niel 1
1999 Montjeu Prix Niel 1
2000 Sinndar Prix Niel 1
2001 Sakhee International S 1
2002 Marienbard Grosser Preis von Baden 1
2003 Dalakhani Prix Niel 1
2004 Bago Prix Niel 3
2005 Hurricane Run Prix Niel 1

これ見ると,ニエル賞組が圧倒的良績ですね.最近12回中,9回ですか.勝つに越したことはないけれど,2着3着でも特に問題なし.これは3歳馬の斤量の有利さが反映している面もあるかもですね.Rail Linkにとって,とてもいい材料です.
ニエル賞以外から臨戦で優勝の残る3頭は,ラムタラキングジョージから,SakheeのインターナショナルSから,マリエンバードのバーデン大賞からと,G1競走でありながらいずれもフランスのレースからではありません.インターバルも3ヶ月以内です.


お次は,今年の1番人気馬Shiroccoのローテということで,ニエル賞同日の古馬のステップ・フォワ賞勝馬がどういう成績か.

フォワ賞勝ち馬 凱旋門賞着順
1994 Richard Of York 12
1996 Carnegie 6
1997 Swain 4
1998 Yokohama 18
1999 エルコンドルパサー 2
2000 Montjeu 4
2001 Hightori 7
2002 Aquarelliste 6
2003 Ange Gabriel 9
2004 Policy Maker 19
2005 Pride 7

エルコンドルパサーの2着が最高成績ですか.前年凱旋門賞カーネギーMontjeuも微妙な成績.前年凱旋門賞2着のAquarellisteも6着ねえ… 後にキングジョージを勝つSwainも4着か.ま,何故か相性の悪いレースとなっております.


次いで,Hurricane RunShirocco,Prideのシチュエーションということで,2年連続挑戦の当年成績はどうか.

該当馬 前年着順 当年着順
1995 Carnegie 1 6
1995 Lando 8 4
1996 Swain 3 4
1997 Helissio 1 6
1997 Pilsudski 2 2
1997 Oscar Schindler 3 4
1997 Swain 4 7
1997 Le Destin 6 16
1998 Posidonas 9 14
1999 Leggera 2 4
1999 Tiger Hill 3 5
1999 Croco Rouge 4 3
2000 Montjeu 1 4
2001 Egyptband 2 8
2001 Hightori 5 7
2002 Aquarelliste 2 6
2002 Anabaa Blue 9 7
2003 High Chaparral 3 3
2003 Black Sam Bellamy 10 6
2004 Policy Maker 10 19
2005 Bago 1 3
2005 Cherry Mix 2 12
2005 Warrsan 9 8
2005 Pride 13 7

上位馬はそれほど大崩がないという感じですか.連覇のハードルは結構高いのかもですけどもね.因みにPrideは3年連続の挑戦ってことになって,Swain以来ですかね.


Sixties Iconのローテということで,セントレジャーからの挑戦組はどうなっているか.

セントレジャー着順 凱旋門賞着順
1994 Broadway Flyer 2 15
1995 Luso 8 13
2001 Milan 1 5
2001 Saddler's Creek 9 16
2001 Chimes At Midnight 6 17
2005 Scorpion 1 10

そもそもあまりこういう臨戦過程が採られず,しかもそれほど良績でもありませんねえ.Sixties Iconにはつらいハードルです.


Irish Wellsのドーヴィル大賞からの臨戦はどうか.日本式で言えば,中4週のローテになります.

ドーヴィル大賞着順 凱旋門賞着順
1994 Bright Moon 2 5
1994 White Muzzle 1 6
1995 Swain 1 3
1995 Partiparal 3 7
1995 Sunrise Song 3 16
2000 Daring Miss 2 7
2000 Russina Hope 1 8
2001 Honorifique 6 12
2001 Holding Court 1 15
2003 Policy Maker 1 10
2004 Cherry Mix 1 2

思ったよりもいい感じに穴っぽいのかも.ただ,Irish WellsはG1での結果がないので,良績は期待しづらいかも.


Best Nameのプランスドランジュ賞経由ではどうか.日本式で言えば,中1週のローテです.

プランスドランジュ賞着順 凱旋門賞着順
1994 Millkom 1 9
2000 Hightori 1 5
2001 Sagacity 2 3

Sagacityが頑張りましたが,ちょっと少ない例なのでなんとも言い様がありませんねえ.


最後に,ディープインパクトのように90日以上間が空いて挑戦した馬はどうでしょう(ディープインパクトのローテは暦上,前走宝塚記念から98日経っているものです).

インターバル 前走レース名 前走着順 凱旋門賞着順
92 1998 Counteous Leith's July Trophy S 2 11
98 1996 Zagreb Irish Derby 1 13
98 2001 Egyptband Grand Prix de Saint-Cloud 3 8
98 2002 High Chaparral Irish Derby 1 3
99 2004 North Light Irish Derby 2 5
99 2004 タップダンスシチー 宝塚記念 1 17
107 2002 Black Sam Bellamy Queen's Vase 5 10
155 2004 Execute Prix Ganay 1 11
161 2002 マンハッタンカフェ 天皇賞 1 13
344 1996 Tamure Breeders' Cup Turf 4 14

High Chaparralが良績を挙げています.


予想.
ディープインパクト
Shirocco
Rail Link
Hurricane Run
本命はディープインパクト.この馬で駄目なら,日本産馬はどういう馬なら勝てるのだろう.ローテーションに不満はあるけど,少頭数で不利を被る危険も少なくなったし.但し,有力馬に先行馬が多く,ハーツクライに負けたように,差して余力残りで2着とかあるんじゃないかと心配.
対抗はShirocco.どうもジンクス的に相性の悪いステップ経由ですが,ここをターゲットに絞ったようなローテーションが良い.
穴に3歳馬の実績頭Rail Link
Hurricane Runって案外狙いづらい.確かにキングジョージ優勝のHurricane Runですけど,2000mくらいが良さそうなElectrocutionistと休み明けハーツクライ相手に辛勝.Prideに取りこぼし.シーズン中あまり緩められなかったような印象もあり,父の影がちらほら.