お久しぶりです.1年以上も放置してしまっておりました.その1年前のエントリが,「復活しようと思っている」とは,どの口が言っているものなのやら.
この1年何をやっていたかというと,エリザベス女王杯ポルトフィーノの落馬を見てきたり,ダイワスカーレットに萌えていたりといったところでした.強い牝馬大好き.ということで,明日は天皇賞に行ってくる予定です.テイエムプリキュア頑張れ.

1年ほど放置してしまっております.特に事故があったとかそういうわけではありませんが,本業が忙しく,これといって競馬のネタに関らなくなってしまったというのが大きな要因となってしまっております.国内競馬はチェックしつつも,海外競馬のニュースを海外サイトに行って確認するほどの時間が取れていない状況です.
年度が改まってある程度生活のリズムが掴めたら,復活しようかとも思いつつあります.丁度私がウェブ上にサイトを作成して10年ほどになるのですよね,今年で.始めてから随分長くなったものです.結構間にブランクはあるものなのですが.

3歳で種牡馬入り

ということで,Holy Roman Emperorは3歳にして種牡馬入り.日本では,フジキセキが例に挙げられます.他にどんな馬が3歳馬にして2007年種牡馬入りなのか.Thoroughbred TimesStallion Directoryをざっと眺めて,生年が2004というのをピックアップ.
Colonel Q:父Endless Queue.テキサス州Stan Townsendで供用.
Otiscampbell:父Tiznow.サウスカロライナ州Apache Farmで供用.
Publican:父Hennessyミズーリ州Rocking G Horse and Cattle Co. Incで供用.
Rff Golden Justice:父Mister Glitter.テキサス州Red Fox Farmで供用.

ジョージ・ワシントンの補充人事に神聖ローマ皇帝

WASHINGTON SHOCK AS EMPEROR RETIRED (sporting life)
欧州クラシックの有力馬が電撃引退 (netkeiba.com)
ジョージワシントン復活か!?(エイダン☆オブライエンと僕と馬。)
George Washington (Coolmore Stud)
2つの大きなニュースです.まずは,昨年の2000ギニーGeorge Washingtonが生殖能力に疑問がもたれているというニュース.2つ目は,その補充として,今年の2000ギニー現在のところ2番人気のHoly Roman Emperorを引退させ,充てるというニュースです.しかし,この記事の題名のように文を書くと凄い字面ですねえ.
今年度から繁殖入りしたGeorge Washingtonは,種付の初期から生殖能力に疑問を持たれ,現在米国から獣医師を呼んで予後を見守られているのだとか.George Washingtonの種付は中止となり,George Washingtonがカバーする予定の牝馬への代わりの種牡馬としてHoly Roman Emperorを持ってくるのだとか.父が同じだから.コメントを読む限り,オブライエン調教師は随分残念がっているみたい.「とんでもないショックとしか言いようがない」とまで.そりゃ,2000ギニー目前で,しかも怪我とかで引退って訳じゃないですしねえ.オブライエン厩舎の人のブログによりますと,George Washingtonが現役復活という雰囲気もありそう.さらにそこのコメント欄では,完全に種無しというわけじゃないことが書かれています.
因みに,2000ギニーは現在,Teofiloが1番人気.Holy Roman EmperorをデューハーストSで破った馬ですね.現時点での評価は完全に1強に.2番人気は,モルニ賞の勝ちがあるDutch Art.3番人気はStrategic Prince.2000ギニーのスポンサーの人は,せっかくのTeofiloとの激突だったのに,という感じのコメントを出しています.

控除率引き下げ

JRA、払戻金アップへ…売り上げ増狙い競馬法などを改正 (sanspo.com)
競馬法改正で控除率引き下げ (Sponichi Annex)
払戻金アップ1000円が1060円に? (nikkansports.com)
払戻金控除率引き下げへ 政府が競馬法、競馬会法改正案(スポーツ報知)
記事が出てから若干時間の経ってしまった感はありますが,いよいよJRA控除率について考え始めたというところでしょうか.現在の控除率は,単勝複勝でおよそ20%,その他でおよそ25%という率になっています.米国では大体17%くらいが主流.控除率引き下げは馬券を購入するものからすれば,とても嬉しい措置です.
しかし一方で,控除率引き下げが競馬事業の困窮をもたらすという意見もあります.
控除率須田鷹雄のコラム)
JRAが控除率引き下げか(座布団が行司にクリーンヒット)
競馬法改正で控除率引き下げ : Sponichi Annex(昨日の風はどんなのだっけ?)
一番上のリンクでの須田鷹雄さんは,「きちんとした試算に基づくものなら参考にしたいが、いまのところ計算に基づく引き下げ論というものは無いように思う」とのこと.その上で,控除率の引き下げは普通に考えれば支出を増やすものなので,JRAの収支に影響を与えて困窮させてしまう,という感じでしょうか.残るリンク先は,須田鷹雄さんのコラムを受けて,JRA困窮→影響の心配をしています.
国とJRAの配分の問題もありますが,単純に売上最大になるような控除率はどのようなものか.25%という控除率は,ちゃんと売上の最大化を考えられて設定されたものなのか.確かに日本における試算は見たことありませんが,米国には試算したような議論が学術的にあります.

  • Gruen, Arthur "An Inquiry into the Economics of Race-Track Gambling", Journal of Political Economy 84, 1976.

まー,かなり昔の論文ではありますが,最近の論文でもそう違った結果が出ているようには見受けられません.分析対象は1940〜1969年のベルモントパーク.賭けの数が控除率からどういう影響を受けるかという分析です.控除率のほかに考慮すべき問題は,馬券購買者の所得がどうか(一人当たり実質所得),賭けへの心理が楽観的かどうか(失業率が4%以下かどうか)*1.分析結果は,控除率は期待したとおり負の効果がある点.控除率が上がれば,当然払戻が減少するので,あまり競馬で賭けをしたいと思わないわけなんですね.
さて,控除率が下がれば売上は上がるという結果は得られましたが,売上が一番大きくなる控除率はどういうところでしょうか.直観的な説明は須田鷹雄さんのコラムにありますが,この論文では,1969年において大体14.88%のところ,という計算結果を得ています*2.日本と米国の環境が完全に共通しているものとは考えづらくはありますし,時間も随分経った計算ではあります.ですが,一応ちゃんと学術的にも試算された結果はありますよ,ということで,20%台の控除率は高い(というか,高すぎる)という主張を補強する一つの論拠にはなるかと思います*3

*1:他,戦時中かどうかということも考慮しています.

*2:この時期の実際の控除率は17.16%です.

*3:他,馬券を購買しようかしまいか考えているボーダーの人の所得をしっかりと調査し,その所得を元に機動的に控除率を設定する必要性がある,という論拠にもなります.

Candy Stripesが死亡

Candy Stripes dies of colic at age 25 (thoroughbredtimes)
インヴァソールの父、キャンディストライプスが死亡 (netkeiba.com)
種牡馬Candy Stripesの死亡の報.アルゼンチンのHaras Carampangueにて.死因は疝痛で,享年25.悲しいなあ.とりわけ昔から注目していた種牡馬だっただけに.代表産駒は,勿論去年の米年度代表馬Invasor.他は,初期の産駒としてカルロスペレグリニ大賞を勝ったSeaborgとか,BCマイルで人気になっていたLeroidesanimauxとかでしょうか*1.母父としてもCandy Rideを出し,地味ながら重要なところに顔を出しているという印象です.各国で43頭の重賞勝ち馬を出していました.1988〜1996年は南米で,1997〜2000年は北米で,2000年〜は南米で供用されていました.
日本では,バブルガムフェローの半兄として知られてはいましたが,特にこれといって大活躍の産駒が走っていたという印象はありません.○外マイネアイルが重賞2着に3度来ているのが,一番の実績でしょうか.アルゼンチンスターという馬も当時は珍しい南半球産ということで一部で注目を集めましたが(スピンスターSとか勝ったDifferentの全妹という良血でもあったんですけどね),未勝利戦1戦1勝で終わりました.自分のメモの記述ですが,この馬,アルゼンチン産の日本での初勝利だったんですね.父ウォーエンブレムの産駒がいる貴重な繁殖牝馬だったりもします.

*1:他のチャンピオンとして,亜と米でG1を勝ったDifferent,南アのEventual,Ilha da Vitoria,加のSweetest Thing,亜のTapatio,Victory Stripes,City West,Emigrant,Recordado,Cursora,El Expresivo,Fanon,伯のLots of Hopeなどがいる.

Mark of Esteemが種付中止

English Stallion Mark of Esteem Withheld from Stud Duty (bloodhorse)
ダーレイのMark of Esteem*1が,種付を無期限に中止.最近のテストで受胎率が減少していることが分かったため(disappointing fertility analysis results).2年前に腸の手術をしたときに,睾丸を一つ取っていることが影響しているかどうかは分かりません.2005年,2006年とシャトルスタリオンとしてブラジルに行き,昨年も90頭の牝馬をカバーしたそうですが.
それにしても,14歳にしてですか.こういうのって回復する目処ってどのくらいのものなのでしょうか.Lureが随分受胎率が悪いながらも種牡馬として活躍しましたし,Sadler's Wellsも一時受胎率が落ちたことなかったかな.Mark of Esteem産駒のG1馬は,2006年のダービー馬Sir Percyのほか,1000ギニー馬Ameerat,ナンソープSとスプリントCを勝利しているReverenceがいます.産駒種牡馬はRedbackくらいしか見つからなかったや.