偏執的血統備忘メモ22

1ヶ月ぶりの偏執的血統備忘メモ.偏執的血統の定義は,全兄弟インブリード込みで特定の馬の血量が50%以上です.
まずは,1972年スウェーデン産のMoon-Prince.父Silverprins,母Silver Moon,母父Hyperbole.父と祖母は全兄弟なので,Silverprins=Silversko 1x2という強い全兄弟インブリードが発生しています.父方祖父Ujijiがアスコットゴールドカップの勝ち馬で,この馬の母への配合を見るとUjijiへのこだわりがあるのかという配合です.半弟はUjiji 3x3,半妹もUjiji 3x3を持ちます.
次は,1952年米国産のEllen's Best.父War Relic,母Ellendale,母父Bimelech.父と曾祖母が全兄弟なので,War Relic=Speed Boat 1x3という血統になります.産駒Hail To Allが,1965年のベルモントSトラヴァーズSを制する立派な繁殖成績の馬なのです.Ellen's Bestの全兄弟に,FindelenIndividualityWar Ageもいます.
3つ目は,20世紀以降の馬ではありませんが,日本に輸入された馬ということで.種牡馬Bradley(ブラドレー)です.父Norfolk,母Margretta,母父Lexingtonで,Lexington 2x2という血統の持ち主です.生まれは1872年ですが,1877年(明治10年)5月に米国より14頭の馬とともに輸入され,取香種畜場(後の下総種蓄場→下総御料牧場)で供用された模様です.当時の馬産は陸軍省内務省がそれぞれの目的で近代化を進めており,こちらは内務省主導で輸入された馬のようですね(陸軍省は軍馬,内務省は殖産興業で物資の輸送馬など).それでも当時は血統管理・サラブレッドという考えが浸透してなかったらしく,放牧地で自然繁殖にしてみたりとか,在来種に付けて産駒を取ったりしていたみたいですが.今に残ってんのかなあ… 詳しいことを知りたかったのですが,どういう資料を見ればよいのかすら分からず,昨日「日本馬政史」と「馬事年史」を流し読みしたのみ.それでもブラドレーの名は出てこず.チャペルブラムプトン* Chapel Brampton納骨堂@内国産。(以上二つ,内国産。または諦観と追憶のアタラクシア),凪的電脳賽馬−ブラドレー凪的電脳賽馬),名馬列伝 G-L内Lexington.pdf(新・桜町血統研究所)といったサイトのほうがむしろ詳しく,これらの方々がどういう調査をしているのか,知りたい所存であったりもいたします.