ラムタラ,英国へ

44億円ラムタラ2760万円で英に売却(nikkansports)
ラムタラを英国に売却へ−史上最高額で輸入の種牡馬sanspo.com
ラムタラ24万ドルで英国に売却へsponichi annex
ラムタラ売却 産駒不振、価値100分の1 日高のグループ、英生産者に北海道新聞
史上最高額の種牡馬「ラムタラ」、英国に売却へ(NIKKEI NET)
とうとうラムタラが売却ですか.このサイト(pedigreequery.com)では,今Hatta Studにいるなんて書いてあるので,ちょいときな臭いかなとは思っておりましたが.一応日本軽種馬登録協会のデータベースの輸出記事がないかで,日本を出てないことは確認していましたが.
丁度私が海外競馬をそれなりに見始めたころに出てきた名馬で,この馬の動向は本当に注目していましたよ.とはいえ,当時は今ほどネットが発達しているわけではなく,凱旋門賞の翌日に図書館にスポーツ新聞の競馬欄を眺めに行ったとかその程度でしたが.3歳の頭に肺の感染症にかかって調整が遅れ,ダービーに1戦1勝で挑戦し,ゴール前でTamureを見事に交わしたMahmoud以来のレコード勝ち,アレックス・スコットとウォルター・スウィンバーンの美談,キングジョージでの「騎手を選ぶ権利は馬主にある」としたデットーリ騎手の騎乗,ぶっつけ凱旋門賞の見事な勝利と,多くの印象がいまだに残っております.この馬の翌年のダービーも1勝馬Shaamitが勝ったり,日本ダービーフサイチコンコルドが2戦2勝という考えられる最小キャリアで制したり,ちょっと流行りましたしね(笑) しかし,ダービー,キングジョージ凱旋門賞を欧州3冠なんて,誰が言い始めたんだ? この馬が制した当時は,「シンザンは5冠馬」というのと同じ程度だったと思うのですが,いつの間にやら「3冠レース」と一括り…
96年の契約当時は総額44億円のシンジケートということで,一般紙的にも大きな話題になったものでした.1年間英国で種牡馬やってからの導入で,Northern Dancer 2x4というインブリードがねえ,とか,競争成績は文句ないんだけど,ちょいと重い成績じゃないかねえ,とか突っ込む人結構いた記憶もありますが.一応英国の初年度産駒にUrban Sea産駒のMelikahがいて,愛オークス2着になっていました.日本生まれの産駒は初年度のメイショウラムセス富士Sマルカセンリョウ名古屋大賞典かきつばた記念を勝利.でもそれ以外の世代は微妙.99年産SimeonがG3クラシックトライアルを制していましたが,英国産ですしねえ.この馬が重賞勝った当時ブルガリアに嵌ってて,旧国王が首相なんて面白い国だなあ,なんて思ってましたよ.シメオン2世っていうのですが*1
売却金額は24万ドル.実に100分の1以下.とはいえ,別に種牡馬のお役御免・功労馬として英国に渡る訳ではなさそう.Nijinskyつながりで,ファーディナンドのようにはならなくて良かったねえ.とはいえ,同じようにヨーロッパに戻っていったシャーラスタニがいい成績というわけでもありませんしねえ.ダービー馬では,ドクターデヴィアスが日本を出てヨーロッパでいい成績を残してますし,あやかれるといいですね.オースも輸出されましたしね.それにしてもつくづくコマンダーインチーフはダービー馬なのに例外的な好成績だ*2

*1:今はもう首相じゃない

*2:輸入ダービー馬の成績は,2006年2月17日の備忘録にて