パート1国―なるとどういう扱いになるか

昨日は日本の閉鎖性についてグダグダ書きましたが,じゃあ開放してJRAの目指すパート1国になると何がいいのでしょう.これは,分かりきったことですが,競走馬の戦績が修正なくそのまま国際的な評価となる,と要約してよいのではないかと思います.
パート1国のパターン競走(Gレース,リステッドレース(オープン競走))はリストアップされていて,これを勝つか3着以内に入ると,その馬は「ブラックタイプ(black type)(太字)」で表されます.そのうち,優勝馬は大文字で表現すると取り決められています.そして,その戦績(どのレースに勝ったか,あるいは2着or3着か)と,その競走のその国での格付けがレース名の後にダッシュを付けて記されます.
これが現在日本が分類されているパート2国だとどうなるか.オープン馬の出走できるレースがリストアップされているのは同じです.また,勝つか3着以内に入ると,その馬名が「ブラックタイプ」で表されるのも共通です.そして戦績が記されるまでは共通ですが,ダッシュの後に付けられるレースの格は"L"となるのみです.
因みに,パート3ですと,オープン馬の出走できるレースがリストアップされているまでは同じですが,勝ってもブラックタイプで表されません.パート4というのもありますが,これは障害競走の分類です.ブラックタイプで表されないが,イタリックタイプで表すことがあります.
例えば,ヘクタープロテクターの戦績は次のように表現します(一例)."HECTOR PROTECTOR, won 9 races, Dubai Poule d'Essai des Poulains-G1, CIGA Grand Criterium-G1, etc".一方でイブキパーシヴの場合."IBUKI PERCEIVE, won 3 races, Daily Hai Queen Cup-L, 2nd Oka Sho-L".日本で重賞勝とうがG1勝とうが,国内での格付けは反映されず,単に"L"レースを勝ったとしか扱われないわけなんですね.グレートサクセスの場合は,特に何もなく"Great Success, won 4 races"となり,メイプルシロップだと"Maple Syrup, won 3 races, 2nd Kansai TV Rose S-L"となりますかね.
この扱われ方はちょっと嫌なので,JRAも頑張ってきました.で,得ている地位は「一部競走をパート1と扱う」ということ.「スプリンターズSが国際G1になった」というのは,このことを表します.そうすると,このレースを勝った馬が競りに出るなどのとき,胸を張ってG1競走のスプリンターズSを勝ちました,とアピールできるわけです.日本ダービーを勝っても,ブラックタイプだからそれなりの馬かもしれないけど,ローカル格付けのG1勝利に過ぎないでしょ,ほら,レースの格"L"だし,なんて扱いをされかねないわけです.そして,勝ったレースの価値が分かってもらえないということもあります.これは日本馬の価値が過小評価される可能性を生んでいると考えられます.
ご存知の方も多いことだと思いますが,まあこのblogは備忘録ということで.