ニート

玄田有史・曲沼美恵『ニート―フリーターでもなく失業者でもなく』幻冬舎を読了.玄田パートと曲沼パートでずいぶん色合いが違う印象.曲沼パートのインタビュー,日経新聞の記事っぽいなと思いきや,プロフィール見ると日経新聞の元記者さんだったのね.取材対象がニートかと言うとそうでなく,フリーターや失業者に分類される人ばかりじゃないかなあ.というか,インタビューされた人,こういうインタビューによく根気よく答えているよなあ.
ということで,ニートは実態把握が非常に難しい.何せジャストこういうものがニートであると言う統計がないから調査の蓄積がない.それを何とか統計を色々眺めることで多少なりとも象をつかもうとするのが玄田パート.
玄田パートでは幾つかニートの増えた要因が提示されているけど,結局ニートが増えないように対策が必要であると言うのを強く感じた.でも,私なんかはニートになって金利生活者暮らしをする,大昔の貴族的生活に憧れるね.それを働けと言われても,困る.ただ,一応は生活のために日々の稼ぎが必要なわけで,それで何とか私はニートには分類されない生活をしている.何を書いときたいかというと,稼ぎと言う日々の労働などの経済面が強調されている(そのために14歳の時期の対策に紙面を多く割いているんだろう)割には,資産と言う面が分析されてなさそうだなあ,と言うことなんですね.家族の稼ぎを配当と考えれば,家族は資産なわけで.ま,この研究も始まったばっかりだし,分類することのむなしさなんて書かれているけど,とにかく分類はしなくちゃ始まらんだろう,と思うってことで.そうじゃなくちゃ,せっかくの経済学の分析は用なくなっちゃって,ケーススタディという手法しか取れないってなっちゃうよ.