ジャパニーズ・スーパースター・シーザリオ

日米オークス馬、シーザリオ引退へ
優駿牝馬アメリカンオークスを勝利のシーザリオが,右前繋靱帯炎再発で引退と発表されました.これはもう大変残念なことです.ラインクラフトとの再対決(福永騎手はどちらを選ぶだろう)や,古馬牡馬相手にどれほど頑張るかが見たかったです.スイープトウショウにも負けないくらい強いと思うのですが,どうだったでしょう.私の非常に好みのシチュエーションは,牡馬相手に頑張る牝馬というものですので,シーザリオにもこのポイントを突いてもらいたかったのです.
この馬の何よりの実績は,父内国産の日本生産馬で海外G1制覇を果たしたことでしょう.日本が輸入に頼らず,世界の生産馬と渡り合えることを示したからです.まあ,とはいえ母は輸入馬ですが.この勝利でもって,エクリプス賞の3歳牝馬と芝牝馬の項目で票が入るほどインパクトあったっぽいですしね.もっと遠征が活発になるといいのだけど,検疫の壁は大きいのだろうなあ.
それにしても,繋靭帯に関する話題がここ最近多いような.メジロマックイーンの引退原因も靭帯炎,ヒシミラクルも靭帯炎,スズカマンボも靭帯不全断裂.屈腱炎ほどでなくても,地味に競走馬の引退原因を作っています.

日本競馬の閉鎖性関連の記事

Limiting Outsiders, Japan Helps Horses Gain on the Inside
アンディ・ベイヤー氏、ワシントンポストで日本競馬を批判
無礼なことを言うな、たかが指数派が。
シーザリオの件も関連付けられている,日本競馬の閉鎖性に関するコラム.大元の記事では,シーザリオアメリカンオークスのゴール前写真が使われています.条件戦はともかく,オープン戦は(その名の通り)できる限り制約のない条件で行われたほうがスリリングと私は思うので,私は開放賛成寄りの意見を持ちます.より質の高いレースを見せてよ,ということで.
つーか,他のパート1国と同じ条件でなければ,どんなに日本競馬で目の見張る成績を残しても,所詮閉鎖競馬での成績で,それ自体は評価されないでしょうし.エルコンドルパサーシーザリオのように,海外での実績を残すくらいしか道は残されない.それなのに,タイキシャトルの勝利には多くの報奨金があったと思うけど,その後「何故か」この報奨金制度は縮小されたと記憶しています.日本馬の外国流出は避けながら,外国馬には割り当て枠の出走しか認めない.「日本馬は強い,日本競馬はレベルが高い」という「幻想的な評価」を保持しつつ,「実際の評価」を得る機会を制限なんて.
海外の馬が,割り当てている枠の中に実際にやってこないから今のままでいいというのではなくて,開放されているという建前が必要だと思うのです.日本調教馬・生産馬の評価材料を増やすにも必要な作業だと思うのです.「リストアップしたレースしか登録しちゃ駄目」じゃなくて,「我々は基本オープンである」のほうが,実効性のない開放でも相手の言い分を減らすものなのではないかと思うのですよ.
Proudwingsみたいに,オープン戦を香港のステップとして,行きがけの駄賃っていうのだっていいじゃない.
(あくまで「レースの開放」のみについて,競馬を見る側から駄弁を弄したのみです.)