パート1国(続き3)―色々なサイトの話題

ベイヤー氏のコラムに関連した色々なサイトのまとめ.今回で一応一区切りというか.今更ですが(blog文化って賞味期限が短いなあと思う).何か文字一杯になっちゃった.それぞれの要約の最後に,矢印で更に一言で要約を入れております.
Limiting Outsiders, Japan Helps Horses Gain on the Inside(Washington Post)
さて,元はといえばAndrew Beyer氏の上のコラムが,近年の日本産馬の海外での活躍と日本の競馬の排他性を取り上げ,話が広がりました.とはいえこのコラム,かなり一般的に「排他性」を述べており,レースの制約が多いこと,調教マネージメントを行えないこと,生産牧場を持てないことなどを挙げているという感じです.一方,「どうしろ」という部分はあまり強調されておらず,閉鎖性を挙げ連ねて「保護保護って,一体何から保護してんのさ.ずるいや」って言っているコラム.なので「どうする」の部分で色々話題が出てくる,と.
アンディ・ベイヤー氏、ワシントンポストで日本競馬を批判(あさ◎コラム)
Bayer氏のコラムを受け,訳し,要約した上で,こうした批判を受けた際にどういう対応をする必要があるか,日本の関係者は考えておく必要があるのではないかと提起しています.で,Bayer氏の話はいつものことだからスルーで(笑),とのこと.→こうした議論への現場の対応策は?
Open Book(bloodhorse.com)
2004年と,少し前の米国でのPaulick氏のコラムです.日本競馬の国際化の流れを振り返り,パート1となるにはJRAの開放はあまりにもゆっくりしすぎだなあ,というところ.何となく,JRAは本気でパート1を目指してるのか,という嫌味が含まれているような気がしなくもありません.で,このコラムはBayer氏のコラムと違い,「どうする」の部分が明確です.日本居住者以外にも馬主の資格を認めろ,ということです.重点はレースの開放ではないのですね(というのも,輸送費用負担のJCですらメンバー集めに苦労しているのだから,費用が出ないならば欧米濠から馬を運んでまで遠征ってのは少ないだろうな,と考えているから.因みにJCダートはパート1競走じゃなかったと思うけど,揚げ足ですね).→外国馬主の開放
迷走するパート1入り(専門記者の競馬コラム)
少し前の日経新聞運動部記者・野元賢一氏のコラムです.2005年のパート1入りへの動きは,生産界からの要望を反映しつつも,後にその要望は撤回されたというようなことが書かれています.パート1になれば日本馬が売れるものと踏んでいたものの,韓国相手に取引してみたら思ったほどではなかったので,やっぱり保護されてるほうがいいや,という流れなんですかね(この掌返しの主役は,社台より下くらいの上位牧場ではないかとも).その後,保護主義は行き詰る,大体地方競馬は保護されてたって駄目じゃないか,だったら特定の属性で排除なんておかしなルールはなくしたほうが馬券購買者の受けもいいのではないか,ということかな.そして保護なくてもまっとうに生産できる対策を,と.→保護主義の撤廃と生産者の努力
無礼なことを言うな、たかが指数派が。パート1なんて飾りですよ、エロい人には(ry(殿下執務室)
有芝まはる氏のblogより.前者は,現に開放されているレースに遠征してくる馬なんて殆どいないのだから,より開放しても実効性のある遠征なんて行われないだろう.来る気ないのに難癖だけつけるな,来る気出してから言ってくれ,というところでしょうか.後者は,当Blogでこの話題を取り上げたのを受けて下さったようで.仮に開放したとしても,日本の国際的評価が上がる材料となりうるかについての疑問です.国際的評価はどうせ欧米のレースによって形成されるので,外国からの実効性のある遠征はなされない,また,日本馬が海外遠征するしか日本の国際的評価は上がらないのではないか,とのことです.→国際化して日本馬の市場価値が上がるという理屈は疑問.興行を言い訳にしたほうが通りやすい
JRAたたきといいつつ微妙に茶々を入れてみる単なる思い付きだけどね(血統の森+はてな
momdo氏のblogより.パート1という括りは飾りと有芝氏に(対欧米について)賛意を表しつつ,東アジア圏,オーストラリアで競馬シリーズを行うにはあったほうが良いのではないかとの指摘です.アジアでの位置づけをはっきりさせて,それがファンへのアピールになると.地方競馬へのプレッシャーになって,淘汰や変化が起こるのではないかとの指摘も.→開放して発展なり没落なり
彼女がのこしたもの。(うまさいと)
rosettastonejp氏のblogより.メインはシーザリオの引退についてですが,「アメリカ人を「焦らせた」」シーザリオの勝利の衝撃は大きかったと指摘しています.→シーザリオという衝撃
日本競馬は開放されていますので、どうぞどうぞお越しください。(Cask Strength)
consigliere氏のblogより.有芝氏の前者の指摘と同様の指摘でしょうか.かなり挑発的に,「ものには頼み方」があるだろうと述べております.(余談となるニュースですが,ここで取り上げられている天皇賞に選出されていたシャラプアは4月5日に死亡.netkeiba.comでは3月30日の報道なので,多分天皇賞回避と死亡の相関はないと思いますが,回避も死亡も残念です)→すでに開放されてるのに,遠征してこないじゃないか
A.ベイヤーがハーツクライの快勝にブチ切れたようで(Nereide Design blog)
南 元彦氏のblogより.かなり強力な馬産地保護(?)の意見です.海外で活躍している馬は社台の馬であり,日本産馬全体を見ればまだまだ遅れているのだから,ベイヤー氏の指摘は筋違いか表装を眺めただけのもの,という感じでしょうか.だから現状の保護規制は真っ当なのだ,という意見でよいのかな.あるいは,調教・育成・賞金税制を取り上げて(コストが掛かること)「牧場は力が小さい」としているので,これらへの対策ということなのでしょうか.強調点がちょっと分かりづらい.(ただ,個人的な意見を言わせていただくと,blogの紹介文に競馬は「自由民主主義の産物」とあったり,ウェブサイトのほうを拝見いたすと「平成17年(2005年)デビュー組・JRA新人騎手通信簿」では随分若手騎手には手厳しいことを言っているのになあ…って思う)→開放なんてまだまだ,国内で対策しなきゃならないところが多い